顎関節症の治療は何科の病院で行う?顎関節症の原因と治療法を徹底解説
「口をうまく開けない」
「口の開閉時に顎が痛む」
現在、このように顎の痛みに悩まれていませんか?
口を開きにくかったり、食事の際などに顎が痛んだりする場合は「顎関節症(がくかんせつしょう)」かもしれません。
こちらの記事では、顎関節症の症状や原因から、費用、主な治療法についてお伝えしていきます。
目次
顎関節症とは?主な症状とその原因
顎関節症とは顎の関節および筋肉の病気のこと。
口を開こうとするときに顎の関節や筋肉が痛んだり、口を開けにくかったりする症状があります。一生のうちに半数の人が経験すると言われており、多くの人が顎関節症の経験があるとされています。
顎関節症の症状は一時的なことも少なくないので、あまり深刻に考えすぎず、歯科医師の指示のもと治療を行いましょう。
ただし、顎関節症の手術には注意が必要です。たとえば噛み合わせを良くするために歯を削ったり矯正したりして症状が改善されなかった場合に元に戻すことができないので慎重に考えましょう。
顎関節症の一般的な治療については後述していますので、ぜひそちらを参考にしてください。
顎関節症の4つの症状
顎関節症の症状は主に以下の4つ。
- ①顎を動かすとカクカクと音がなる
- ②口が一定のところまでしか開かない
- ③口を開けるときに顎が引っかかる
- ④顎に痛みがある
これらの症状に一つでもあてはまり、その他の症状が見受けられない場合は顎関節症と診断される可能性が高いでしょう。
顎が痛みや口を開きにくいっと症状は、親知らずの炎症やその他の病気によって引き起こされる場合もあります。
そのため、歯科医院での診査では症状の変化や症状の始まりについて正確に伝え、必要であればX線撮影やCTを使ってきちんと診断してもらいましょう。
顎関節症を引き起こす主な原因
顎関節症を引き起こす原因はさまざまあり、主に以下のものが考えられます。
- 歯ぎしり
- くいしばり
- 歯並び・噛み合わせが悪い
- ストレス
- 外傷 など
ただし、厳密には顎関節症を引き起こす原因ははっきりとしていません。これらの要因が一つあるいはいくつも重なり、その人の持つ顎の耐久力を超えると症状が出るという考え方が一般的です。
顎関節症の治療にかかる費用!保険は適用される?
顎関節症の治療は一部保険が適用されます。
顎関節症の治療法にはいくつかありますが、X線診断およびマウスピースを使った「スプリント療法」であれば保険適用内で治療が可能。スプリント治療にかかる料金は、3割負担で3,000円〜8,000円となるケースがほとんどです。
ただし、歯科医院によっても異なります。顎関節症の治療にかかる費用についてはあらかじめかかりつけの歯科医院に問い合わせておきましょう。
顎関節症の主な治療法は?
顎関節症の治療法は主に以下の4つ。
- マウスピース治療・スプリント療法
- 理学療法
- 薬物療法
- 生活習慣の改善
最も一般的な治療法はスプリント療法ですが、必ずしも症状が改善されるとは限りません。そのため複数の治療法を行って顎関節症の治療を行うことがあります。
ここからは、それぞれの治療内容について紹介していきます。
マウスピース治療・スプリント療法
顎関節症では、マウスピースを使った「スプリント療法」が一般的に行われます。
スプリント療法とは、夜間睡眠中にマウスピースを装着することによって、歯ぎしりやくいしばりによる顎の関節・筋肉への負担を軽減させるもの。
多くの場合はスプリント療法によって症状は緩和されますが、数週間経過しても改善傾向にない場合はその他の治療法を検討する必要があります。
理学療法
理学療法とは緊張した筋肉をほぐし、耐久性を高めることで、筋肉の疲れからくる症状を改善する治療法。
理学療法には、物理療法と運動療法の2種類があります。
物理療法は手指で筋肉をマッサージしたり、低周波の電気を流したりするもの。一方で運動療法には、筋肉の柔軟性を改善するストレッチや、顎の筋肉を鍛えるトレーニングなどがあります。
いずれにおいても、理学療法は医療者の指導のもと行う必要があります。
薬物療法
薬物療法とは鎮痛薬を服用して顎の関節・筋肉の痛みを緩和させるもの。
基本的には症状に応じて薬の種類や服用方法が異なりますので、医療者の指導通りに薬物療法を行うことが必要です。
また、スプリント療法においてマウスピースの装着で痛みがある場合は、薬物療法を並行して行うことがあります。
生活習慣の改善
生活習慣の改善をするのも顎関節症の治療法のひとつ。
具体的には、頬づえやうつ伏せで寝る癖がある人はその習慣を直す必要があります。
そのほかにも、デスクワークなどで目線を下に向ける姿勢が長時間続く人も注意です。顎を引いた状態は噛みしめにつながるので、イスの高さを調整するなど悪習慣の改善が必要です。
生活習慣によって顎関節症が引き起こされている場合、その他の治療法で症状を改善してもまた痛みが再発する可能性があります。そのため、その他の治療と並行して生活習慣を見直すことが大切です。
顎関節症の治療期間はどのくらい?およそ1ヶ月から半年
顎関節症の治療期間はおおよそ1ヶ月〜6ヶ月となりますが個人差があります。
顎関節症は生活習慣が大きく影響する病気。顎関節症を引き起こす生活習慣を直すのに時間がかかれば、その分顎関節症の症状が改善されるのにも時間がかかると考えられます。
顎関節症を治療を行うには医療者による治療のほか、患者さまご自身のセルフケアが重要です。
顎関節症の治療は何科?顎関節症に対応している病院
顎関節症は主に歯科・口腔外科で治療が行われます。
そのため多くの歯科医院で顎関節症の治療が可能です。ただし、手術を伴う治療を受けるためには口腔外科も行っている歯科医院へ通う必要があります。
なお、当院では顎関節症の治療としてスプリント療法のほか、詰め物や被せ物の調整、場合によっては外科手術なども行っています。
当院の口腔外科の詳細については以下の記事で紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。