虫歯を1ヶ月〜3ヶ月放置すると病気になる?死亡するリスクもあるというのは本当なのか?
「虫歯を放置するとどうなる?」などと気になっていませんか?
結論から言えば、虫歯を放置すると歯や神経を失う可能性があります。
現在、虫歯を放置されている方でも、歯や神経を残せる可能性はあるので、手遅れになる前にできる限り早く治療を受けることが大切です。
こちらの記事では、虫歯を放置する人の共通点や放置することによるリスクについて詳しくお伝えしています。
目次
虫歯を放置する人とは?歯医者で治療するのがこわい
虫歯を放置するようになった原因として、歯医者での治療を恐れていることが考えられます。
特に、幼少期に歯医者で強引な治療を受けたことのある人や、歯科医師から強く注意を受けた経験がある人は歯医者に対して抵抗を持っているのではないでしょうか。
また、歯を削ったり麻酔を打ったりする際に痛みを覚えた経験から、歯医者に行くのがこわくなっている人も多いかと思います。
しかし、虫歯を放置してはいけません。虫歯を放置し続けると、将来的に抜歯が必要になる可能性があります。
虫歯になったら少しでも早く歯科医院を受診し、治療を受けることが大切です。
虫歯は治療しなくても自然に治る?
一度虫歯になると、基本的に自然に治ることはありません。
ごく初期段階であれば、しっかり歯磨きを継続することで治ることはありますが、少しでも進行していれば虫歯はそのまま進行し続けます。
歯に痛みを感じたことがある場合や、長期間放置し続けている場合は自然に治ることはなく、歯科医院での治療が必要です。
また、虫歯が進行すると歯に痛みを感じますが、その状態をさらに放置すると痛みがなくなることがあります。
しかし、痛みがなくなるのは虫歯が治ったのではなく、虫歯が進行し過ぎて一時的に神経への圧が減少するためです。虫歯は放置せず、少しでも痛みを感じたら早めに歯科医院を受診しましょう。
虫歯を放置するとどうなる?長期間放置する5つのリスク
虫歯を放置するリスクには、主に以下の5つが考えられます。
- 激しい痛みを覚える
- 口臭がきつくなる
- 神経を失うことになる
- 抜歯が必要になることがある
- 炎症や病気を引き起こす可能性がある
虫歯を放置する期間が長ければ長いほど、抜歯や病気を引き起こすなど大きなリスクが伴います。それぞれの詳細について解説します。
リスク①激しい痛みを覚える
虫歯が進行すると、激しい痛みを覚えることがあります。
進行度によって痛みの強さは異なり、はじめは冷たいものや甘いものがしみる程度だったのが、象牙質まで虫歯が進行すると痛みを感じるようになります。
さらに、虫歯が神経まで達すると激しく痛むことがほとんどです。
また、大人の虫歯は子どもの虫歯と比べて痛みが出にくいとされています。
痛みを感じた階では、すでに重症化している可能性が高いです。虫歯は放置せずにできる限り早く歯科医院を受診しましょう。
以下の記事では、虫歯の進行度の違いや治療法について解説していますので、ぜひあわせてチェックしてください。
(関連記事)虫歯の進行度に応じた治療の流れ|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
リスク②口臭がきつくなる
口臭がきつくなるのも、虫歯を放置するリスクの一つです。
歯垢や虫歯菌が虫歯に付着してたまると、細菌が繁殖してにおいがきつくなります。
さらに虫歯が進行して神経にまで到達すると、神経が腐敗したにおいが発生します。
そのほか、虫歯によって炎症が起こり、出血や膿ができるのも口臭がきつくなる原因の一つです。
(関連記事)口臭がきつくなる3つの原因と治療方法|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
リスク③神経を失うことになる
虫歯を放置すると、やがて虫歯は神経にまで達します。
神経にまで達した虫歯は、基本的に「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれる神経を取り除く治療が必要です。
神経を失った歯は栄養が行き届かなくなり、もろくなります。歯根が割れたり、根管の感染を引き起こしやすくなり、抜歯が必要になる可能性も高くなります。
神経を失った歯の寿命は短くなってしまうので、できる限り神経を残すためにも早めの診療が必要です。
(関連記事)虫歯の根管治療の流れ|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
リスク④抜歯が必要になることがある
虫歯は進行し続けるため、やがて歯が溶けて歯としての機能は失われてしまいます。
歯が溶けてほとんどなくなっている場合、治療するにも抜歯が必要になる可能性が高いです。
抜歯をすれば入れ歯やブリッジ、インプラントで失った歯を補わなければなりません。
欠損した歯の治療は定期的なメンテナンスが必要になるほか、インプラントは保険適用外なので治療費用が高額になります。
抜歯をすると治療にかかる時間やお金も増えるので、抜歯が必要になる前に虫歯治療を行いましょう。
リスク⑤炎症や病気を引き起こす可能性がある
虫歯を放置すると、お口以外にも影響を及ぼします。
たとえば、上の歯の虫歯を放置すると、虫歯の細菌が鼻の粘膜に感染して「副鼻腔炎」になるリスクがあります。
そのほか、虫歯菌が根管から骨髄に感染し、顎の骨を腐敗させる「骨髄炎」になったり、虫歯菌が血液に入って「脳梗塞」や「心筋梗塞」になったりする可能性もゼロではありません。
お口以外の部分で炎症・病気を引き起こす可能性があるので、虫歯は放置せずに早めに治療を受けましょう。
万が一、現在放置している状態でも、まずは一度歯科医院を受診して現在の状況と必要な治療について知ることが非常に大切です。
虫歯を放置すると死亡する可能性はある?
虫歯によって死亡する可能性はゼロではありません。
虫歯を放置すれば脳梗塞や心筋梗塞になる可能性があり、いずれも命に関わる病気です。
脳梗塞や心筋梗塞になって死亡するのは稀なケースですが、虫歯がお口だけではなく身体全体にも影響を与えるのは事実です。
虫歯は歯の病気だからといって放置するのではなく、一つの病気と考えてできる限り早めに治療しましょう。
神経を残す治療「MTA覆髄治療」とは?
MTA覆髄治療(おうずいちりょう)とは、神経を残したまま保存する治療です。
MTAセメントと呼ばれる、抗菌作用と組織親和性を持つ材料で、虫歯を取り除いた歯に蓋をします。
歯の神経を失うと歯の寿命は短くなり、破折するなど歯を失うリスクが高くなります。より長く自分の歯を残し続けるためには、歯の神経を保存することが大切です。
MTA覆髄治療なら、神経まで達していて歯髄を抜く必要のある症例でも、歯髄を残せることがあります。
放置してきた虫歯の主な治療法
虫歯の治療法は進行度によって異なります。
虫歯が神経まで達している場合は、根管治療になる可能性があります。しかし、神経を残せる可能性が少しでもあれば、無理に根管治療を行うことはほとんどありません。
当院では治療前に患者さまのお悩みや要望をお聞きし、できる限り患者さまのご要望に沿った治療を行っております。
患者さまの意思を大切にしており、お口の検査をした後にしっかりと治療計画を立て、必要な治療の説明を行った上で、患者さまご自身で治療内容を選択いただくことが可能です。
虫歯を放置されている方は、気兼ねなくお早めに当院へご相談ください。
このコラムの監修者
小林 浩
Hiroshi Kobayashi
所属学会
日本口腔外科学会 |
日本口腔インプラント学会 |
認定・資格
歯学博士(口腔外科学専攻) |
日本口腔外科学会認定医 |
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導医 |
アメリカ心臓協会(AHA) BLSヘルスプロバイダー |