奥歯のインプラント治療のメリット・デメリットとは?費用相場や歯を失った時の治療法を比較
「奥歯のインプラント治療のメリット・デメリットは?」
「奥歯のインプラントの治療費用が知りたい」
などと、現在奥歯のインプラント治療をお考えではありませんか?
奥歯は食べ物をしっかり咀嚼したり、噛み合わせのバランスを維持したりする上で非常に重要な歯です。
こちらの記事では、奥歯のインプラント治療のメリット・デメリットから、奥歯の役割、治療時の注意点について詳しくお伝えしていきます。
目次
奥歯のインプラントのメリット
奥歯のインプラントのメリットは大きく次の3つ。
- しっかり噛める
- 入れ歯のような違和感や痛みがない
- 噛み合わせのバランスが整う
それぞれの詳細について解説していきます。
メリット①しっかり噛める
インプラントは咀嚼力が天然歯に近い治療法です。
インプラントの素材となる「チタン」は、骨に埋め込むことで周囲の組織と結合する性質があります。そのため、時間が経つにつれて骨にくっついて、しっかりとかめるようになります。
入れ歯はインプラントほどしっかり噛めないので、硬いものも食べにくいです。しかし、奥歯をインプラントにすれば硬いものもあまり気にすることなく食べられるようになります。
メリット②入れ歯のような違和感や痛みがない
奥歯は前歯とは違って食事の際などに大きな力がかかるため、入れ歯が合っていないと、入れ歯が歯茎にあたって痛みを感じやすいです。
また、装着感があるので、特に入れ歯をつけはじめた頃はお口の中に違和感を覚えやすいです。
一方、インプラントは天然歯と同じように噛めるので、噛み締める際に痛みを感じることはほとんどありません。装着感もないので、自分の歯のように違和感なく過ごすことができます。
メリット③噛み合わせのバランスが整う
奥歯がなくなると、歯に加わる力が偏って噛み合わせのバランスが悪くなります。
歯の噛み合わせがずれていると、肩こりや頭痛の原因になるだけでなく、顔の輪郭が歪むなど、歯以外の部分にも不調が起こります。
人間の歯は上下の歯がしっかりと噛み合っている状態が理想です。
インプラント治療で噛み合わせを調整することで、お口以外の部分に起こる不調を避けることができます。
また、噛み合わせがしっかりすることで、発音しやすいのもインプラントのメリットです。
奥歯のインプラントのデメリット
奥歯のインプラントのデメリットは大きく次の2つです。
- 保険適用外で費用が高額
- 骨造成が必要になることがある
ここからは、それぞれのデメリットの詳細について解説していきます。
デメリット①保険適用外で費用が高額
奥歯のインプラントは保険適用外なので、全額自己負担です。インプラントに使われるチタンという素材は高価なため、患者さまの費用負担が大きいことがデメリットです。
入れ歯やブリッジは保険診療が適用されるため、インプラントよりも安く治療を受けられます。
さらに、奥歯の損失を長い間放置してしまい、骨が吸収されている状態だと、骨造成の治療が必要になりより費用が高額になります。
インプラントが保険適用されるのは、病気や怪我など特別な場合のみです。
デメリット②骨造成が必要になることがある
インプラント治療を受けるためには、十分な骨量が必要です。
患者さまによっては奥歯の損失を放置したことによって顎の骨が吸収され、そのままではインプラントを埋入できないことがあります。
インプラント治療を行うのに必要な骨量が足りない場合は、骨造成(骨増殖)の治療を受けなければなりません。
骨造成とは、骨量が足りない部分に、本人の骨または人工骨を移植する手術のことです。骨の再生を促す作用があり、インプラントを埋め込めるだけの骨を作ります。
骨の状態によって治療法は異なり、「サイナスリフト」や「ソケットリフト」「GBR法」などがあります。
骨造成の治療について以下の記事で解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
(関連記事)インプラント手術ができない時は骨増殖が必要!骨造成の種類や費用相場は?藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
奥歯の役割とは?インプラントが奥歯の機能を補う
奥歯は「臼歯(きゅうし)」とも呼ばれ、噛む力が歯の中でも特に強いことが特徴的です。
奥歯には以下のような役割があります。
- 噛み締める時の負荷に耐える
- 食べ物をすりつぶす・咀嚼する
- 噛み合わせの高さを決める
- 発音する
奥歯を失うと噛み締める力がなくなり、硬いものを食べづらくなったり、咀嚼しにくくなったりします。噛み合わせの高さにも影響するため、抜けた奥歯を放置すると噛み合わせのバランスが崩れる原因にも。
失った奥歯の治療法には、インプラントの他にも入れ歯やブリッジなどがあります。しかし、入れ歯では奥歯の噛み締める機能を補うのは難しく、ブリッジは他の歯を削る治療なので歯の寿命を短くしてしまいます。
それに対して、インプラントはしっかり噛み締められる上、噛み合わせの高さもカバーすることが可能です。インプラントは奥歯の機能をしっかりと補う治療法です。
奥歯のインプラント治療における注意点
奥歯のインプラントは以下3点を十分理解した上で治療を受けることが大切です。
- CTでの診断が必要
- 全身疾患があると治療のリスクがある
- 寿命があるので治療後もメンテナンスが必要
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
①CTでの診断が必要
インプラント治療を行うに当たって、歯科用CTを使用した診断が必要です。
歯科用CTはお口周辺の水平・垂直・斜めの3次元から撮影し、立体的に診断できる検査装置です。インプラント治療では、顎の骨を立体的に見ることによって、治療前にインプラント体を埋め込む位置・向きなどをより細かく判断できます。
また、上の奥歯のインプラント治療を行う際、「上顎洞」と呼ばれる空洞があるため骨の高さが足りなくなる可能性が高いです。CT画像を使用して、インプラントを埋入する角度や深さを検討します。
一方、下顎の骨には下顎管と呼ばれる管があり、その中には神経や動脈・静脈が通っています。治療時に下顎管の傷つけないためにも、事前のCT撮影が大切です。
②全身疾患があると治療のリスクがある
糖尿病や心疾患、骨粗しょう症をはじめとした全身疾患があると、インプラントの治療を行えない可能性があります。
インプラント治療はインプラント体を骨と結合させる治療です。手術中に合併症や偶発症を引き起こす可能性があるため、全身疾患はインプラント治療において治療リスクを伴います。
また、喫煙は骨の結合を妨げるため、インプラント治療が正しく行えないことが考えられます。
全身疾患がある方や喫煙の習慣がある方は、治療前に必ず歯科医師にご相談ください。
③寿命があるので治療後もメンテナンスが必要
インプラントには寿命があるので治療後も定期的なメンテナンスが必要です。
定期的なメンテナンスを怠れば、インプラントの寿命が短くなり、再度手術が必要になることがあります。特に、インプラント周囲炎を発症して処置が遅れると、インプラントの脱落が起こりやすいです。
定期メンテナンスでは、ブラッシング指導やクリーニングを行って、インプラントやお口の中を清潔に保ちます。
また、定期的なメンテナンスだけでなく自宅でのセルフケアをしっかり行うことが大切です。
(関連記事)インプラントの平均寿命は約10〜15年|寿命を縮める4つの原因を紹介|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
奥歯のインプラントに関するよくある質問
ここからは、奥歯のインプラントに関するよくある質問について回答していきます。
Q.奥歯のインプラント治療の費用相場はいくらですか?
A.1歯あたり30万円〜50万円です
インプラントの治療費用は全額自己負担なので高額です。
インプラント1本あたりの費用相場は次の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
診断料 | 1.5万円〜5万円 |
インプラント手術費 | 15万円〜35万円 |
人工歯(上部構造)手術費 | 5万円〜18万円 |
費用合計 | 30万円〜50万円 |
(関連記事)インプラントの費用相場はいくら?1本あたりの治療費用と料金が高額な理由|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
Q.インプラントとブリッジと入れ歯の違いは何ですか?
A.費用や安定性、噛む力などが大きく異なります
ブリッジや入れ歯は保険適用で治療を受けられるため、治療時の費用負担は少ないです。
しかし、入れ歯は安定性や噛む力においてインプラントに大きく劣ります。ブリッジは入れ歯と比べてしっかり噛めることが特徴でが、土台となる両隣の歯を多く削る必要があります。
以下の記事では、インプラントとブリッジと入れ歯の違いについて詳しく解説していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
(関連記事)入れ歯とブリッジとインプラントの違いは?それぞれのメリット・デメリットを比較|藤沢駅南口より徒歩3分の歯医者|湘南ライフ歯科
奥歯のインプラント治療は湘南ライフ歯科へ
当院「湘南ライフ歯科」は、患者さまに寄り添った治療を心がけております。
治療前には歯や骨の状態を詳しく知るための検査を行い、その上で費用面をはじめとした患者さまのお悩みやご不安をお聞きして一緒に治療計画を立てていきます。
奥歯は食べ物をしっかり咀嚼したり、噛み合わせのバランスを維持したりする上で非常に重要な歯です。
歯を欠損された時はお早めにまずは当院へご相談ください。
このコラムの監修者
小林 浩
Hiroshi Kobayashi
所属学会
日本口腔外科学会 |
日本口腔インプラント学会 |
認定・資格
歯学博士(口腔外科学専攻) |
日本口腔外科学会認定医 |
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導医 |
アメリカ心臓協会(AHA) BLSヘルスプロバイダー |