歯周病の原因とは?4つの間接的な要因や症状、治し方について解説
「歯周病の原因は何?」
「歯周病の症状や治し方が知りたい」
このように、現在歯周病についてお悩みではありませんか?
歯周病の主な原因は歯垢です。歯垢に存在する歯周病菌が毒素を産生することによって、歯周病が発症・進行します。
また、歯垢だけでなく生活習慣や口内環境も歯周病を発症させる間接的な要因です。
歯周病を予防・治療するためには、日々のブラッシングで歯垢を除去すると同時に生活習慣を見直すことが重要となります。
そこでこちらの記事では、歯周病の直接的な原因と間接的な要因、歯周病の症状と治し方について詳しく解説しています。
目次
歯周病の原因菌とは?歯垢に存在する細菌が歯周ポケットを作る
歯周病を発症する直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。
歯垢には多くの細菌が住み着いており、細菌が産生する毒素によって歯肉が炎症を起こして歯周ポケットがつくられ、歯周病が進行していきます。
歯周病の原因菌には以下のものがあります。
- アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A.a菌)
- プロフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)
- プレボテーラ・インテルメディア(P.i菌)
- スピロヘータ
また、歯垢は唾液に含まれるカルシウムなどと結合して歯石になります。
歯石は歯の表面に付着してブラッシングで除去することが困難なので、歯周病原菌は歯石をきっかけに歯周ポケットの奥深くへと繁殖していきます。
そのため、日頃のブラッシングで歯垢を取り除くとともに、定期的に歯科医院を受診して歯石を除去することが歯周病を予防する上で大切です。
歯周病を発症するメカニズム
歯周病は、歯周病菌に対して過剰な免疫反応を起こすことで発症する病気です。
歯周病菌は空気を苦手とするため、空気の届きにくい歯周ポケットにすみつきます。
歯周ポケットは通常2〜3mm程度ですが、生活習慣が悪いとポケットは深くなっていき、4〜5mmになると歯周病菌が歯茎の下にある骨を溶かしていきます。
骨が溶けると歯周ポケットはさらに深くなり、歯周病の進行スピードがはやくなるので歯周ポケットが深くなる前に歯周病菌を取り除くのが重要です。
また、免疫には先天性と後天性の2種類があり、人によっては遺伝的に歯周病になりやすい場合があります。遺伝的に問題がなくても、生活習慣などの間接的な原因によって免疫が弱まり、歯周病を起こしやすくなります。
歯周病を予防するために生活習慣を整えるとともに、遺伝的に歯周病になりやすい人は、こまめに歯科医院を受診することが大切です。
歯周病の4つの間接的要因
歯周病になる間接的な要因として、主に次の4つが考えられます。
- 歯並びが悪い
- 口呼吸や歯ぎしり
- 喫煙習慣
- ストレスや生活習慣
ここからは、それぞれの詳細について解説していきます。
原因①歯並びが悪い
歯並びが悪いと、日々のブラッシングで歯ブラシが行き届きにくいです。
歯垢を十分に除去するのが難しく、歯垢が溜まりやすい状態となっています。歯垢は約2〜3日で歯石となり、歯ブラシで取り除くことがさらに難しくなるため、歯並びは歯周病の間接的な要因と言えます。
そのため、矯正治療は見た目を良くするだけでなく、将来的に虫歯・歯周病を予防するためにも大切な治療です。
原因②口呼吸や歯ぎしり
通常、口内は唾液の自浄作用によって、歯周病菌を洗い流して、歯茎を歯周病から守っています。
しかし、口で呼吸すると唾液が乾燥して自浄作用が起こらず、歯周病の進行につながります。
また、歯ぎしりは歯周病の進行を加速させる原因です。歯ぎしりを繰り返すと歯に加わる負担が大きくなり、歯肉や歯周組織の炎症を起こしやすくなります。
原因③喫煙習慣
喫煙者は歯周病にかかりやすいだけでなく、歯周病が治りにくいです。
たばこの煙や成分は、口の粘膜や歯茎によって吸収されます。
たばこに含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げ、「ニコチン」は血管を収縮させて酸欠・栄養不足状態にする原因です。
組織に酸素が行き届きにくくなと、歯周ポケット内にひそむ歯周病菌の繁殖につながってしまいます。
そのため喫煙者の方は、歯周病を予防・治療するために、禁煙や喫煙本数を減らすことが必要になります。
原因④ストレスや生活習慣
歯周病は日々のストレスや生活習慣によっても、引き起こされやすくなります。
ストレスがかかると身体の抵抗力が弱まりやすく、唾液の分泌量が減少する上、歯ぎしりが起こりやすい状態です。人によっては食習慣や歯磨きの習慣が変わってしまうことも少なくありません。
たとえば、間食が増えたり糖分の摂取量が増えたりすると歯垢が溜まりやすくなるでしょう。
また、睡眠中は唾液の分泌量が大幅に減少するため、たとえ歯磨きをしたとしても睡眠前の食事は歯周病のリスクを高めます。
歯周病を予防する上で、ストレスを溜め込まず、整った生活習慣を心がけることが大切です。
歯周病の症状のセルフチェック
歯周病の症状には次のものがあります。以下の症状に一つでもあてはまる方は、歯周病の可能性があります。
- 口臭が気になる
- 起床後は口の中がネバネバする
- 歯と歯の間に食べかすが詰まりやすい
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎が下がって歯が長く見える
- 歯磨きをすると出血することがある
- 歯茎に触ると血や膿が出る
- 歯が揺れている気がする
歯周病になると口臭が臭くなり、歯茎が炎症を起こして腫れるようになります。
初期段階ではほとんど自覚症状はありませんが、重症化すると血が出たり、歯がグラグラしたりなどの自覚症状を覚えるようになります。
歯周病が進行すると最終的には歯が抜けてしまうので、重症化する前に歯科医院を受診して歯周病を予防・治療しましょう。
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歯周病の治し方は?手遅れになる前に予防と治療を受けよう
歯周病は歯垢や歯石を取り除く治療を行います。
歯周ポケットの中にある歯垢・歯石は歯磨きで取り除くことは難しいので、歯科医院でのクリーニングやPMTCが必要です。クリーニングなどで歯垢を取り除けないようなひどい歯周病の場合は、外科的手術が行われることもあります。
また、歯周病は一度進行すると治すのが困難な病気です。
そのため、歯周病になる前に歯磨きをしっかり行うとともに、歯科医院で定期検診を受けて予防することが大切です。
まとめ:歯周病の予防・治療は湘南ライフ歯科へ
歯周病を発症する直接的な原因は歯垢(プラーク)です。歯垢に含まれる歯周病菌が毒素を産生することによって、歯肉が炎症を起こして歯周病が進行します。
また、歯周病になる間接的な原因として以下の4つがあります。
- 歯並びが悪い
- 口呼吸や歯ぎしり
- 喫煙習慣
- ストレスや生活習慣
歯周病を予防・治療するためには、日々のブラッシングで歯垢を取り除くとともに、生活習慣や口内環境を見直すことが重要です。また、ブラッシングだけで全ての歯垢・歯石を取り除くことは困難なので定期的な歯科検診を受けましょう。
当院では、患者さまの症状に合わせた歯周病治療を行っております。将来的に歯周病になるか不安な方、歯周病でお悩みの方は一度当院へご相談ください。
このコラムの監修者
小林 浩
Hiroshi Kobayashi
所属学会
日本口腔外科学会 |
日本口腔インプラント学会 |
認定・資格
歯学博士(口腔外科学専攻) |
日本口腔外科学会認定医 |
厚生労働省 歯科医師臨床研修指導医 |
アメリカ心臓協会(AHA) BLSヘルスプロバイダー |